ジャン・サヴェチック

ジャン・サヴェチック

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ドロボズナ村の神父。虐げられた村人達を伴い、ハウプトマン男爵に叛旗を翻した。男爵の追放に成功するものの、暗黒の知識に堕ちることとなる。


今もドロボズナ村にある教会に残る、サヴェチック神父の手記

私事ドロボズナ村の一牧師ジャン・サペチックは、1632年のこの年、謹んでここに証言いたします。ドロボズナ村の村人達がハウプトマン男爵に対しておこした一連の行動に関するこの証言は、事件の調査のための派遣されてきたローマ法王の使節団に対して申し述べたのものとは違っておりますが、真実はこちらの方であることを謹んで告白するのものであります。私はこれを個人的なものとして書いており、書き上げたら後は、異教の印を施したワックスにて封印してしまう所存です。これを私的な目的のための利用されるのを防ぐため、そして闇の力に立ち向かおうとする者に警告を与えるためであります。

今からさかのぼること1627年、私はハウプトマン男爵所有のある本を手に入れました。

ギリシャ語で書かれた大きな本でした。本の題名はここに記す事をはばかります。異教徒の詩人の書いた詩の中に冒涜的な事柄の数々がほのめかされており、読者に悪霊や悪魔からの保護を与えてやると申し出ている本でありました。

翌1628年、若い村娘が男爵に連れ去られ、後日死体となって城壁の外へ投げされた時、怒りに燃えた娘の父親が城の扉にむしゃぶりつき、男爵に対する罵りの言葉を浴びせかけました。そのときです。城壁の上にあるつい壁の上に男爵が姿を現し、見守る村人達の目の前で、邪悪な目つきでその哀れな父親をただにらんだだけで、彼を殺してしまったのです。人々が、門前に横たわる農夫の死体を取りに行く勇気をやっと奮い起こしたのは、二日もたってからのことでした。

そこで私は忌まわしい例の本を読んでみたのでありました。我が魂を危険にさらす事になるのは判っておりましたが、読んでみました。そのページに書かれていることは、我が信仰の確信をもゆさぶるほどおもので、今でも我が心臓が冷たい黒い手でつかまれているように感じられます。本には我々とは異なるところに住む恐ろしい怪物どものことが述べられていました。男爵の筆跡で本の余白に書き込まれているメモを見ると、男爵はこの神々どもを神として礼拝している模様です。特に、城の地下にある悪臭に満ちた穴蔵に住む怪物を礼拝していると言うことでした。また、本にはこれらの上殿が我慢出来ずに逃げ出すというある印の事も述べられています。私は十字架で武装した村人達を先導して、男爵に立ち向かう事にしました。

城の門を破り、男爵の姿を求めて城の中の進入しました。何人かのグループが城の地下墓地(カタコンベ)への入り口を発見し、勇敢にも暗いそのトンネルに入っていきました。私は指呼し後から彼らに続きましたが、やがて前方で悲鳴が聞こえました。異教のシンボルと忌まわしい本を手に私が駆けつけてみると、あり得べからざる悪魔がいました。悪魔が村人をむさぼり空のを見て、私は声を限りに叫びました。村人の手にはまだ十字架が握られていました。銃とたいまつのひかりによって、どうにか悪魔を悪臭の穴へと退散させました。我々は大きな岩で穴を塞ぎ、その岩の上に異教のシンボルと打ち付けました。そのシンボルで穴を封印したのでした。男爵の姿は見つかりませんでした。ただし、男爵の家来達は見つけられて殺されていました。城の塔の一つを崩してから、我々は城をしてて去りました。

城の地下で見たモノのことを、私は誰にも話した事はありません。怪物に食われた村人のことは、地下の悪臭を放つ深い穴の中に落ちたことになりました。穴に近づく勇気のある人間は居ませんでした。私は私の犯した行為によって、永遠の天罰を受けるのかもしれません。しかし、そのことを書いておかなければなりません。我が魂が救われることが叶わないのならば、せめて我が両親だけでも救われる事を望みつつ。